
家の外観を見ていると、屋根の下にある天井のような部分があるかと思います。
これが今回取り上げる、「軒天(のきてん)」と呼ばれるものです。
日常的にあまり考えることのない軒天ですが、実は、家の寿命や快適さに大きく関わる重要な役割を担っています。
今日は、そんな軒天の基本的な知識とその役割について詳しく解説します。
軒天とは?
述べた通り、軒天は、屋根の軒先(屋根が建物から外に張り出している部分)の裏側にある天井のことを指します。
別名「軒裏天井」や「軒天井」とも呼ばれ、建物の外壁から屋根が出ている部分の裏側に板材などを張って仕上げた部分です。
建物を下から見上げた時に見えるこの箇所は、外観の印象を左右するだけでなく、建物の構造や室内環境を守る上で欠かせません。
軒天の主な役割
順番に解説します。
雨風から建物を守る
軒天は、屋根から外壁にかけてのスペースを覆うことで、風雨が屋根裏や壁内部に侵入することを防ぎます。
もし、軒天がなければ、雨水が直接屋根裏に吹き込んだり、強風が建物内部に影響を及ぼしたりする可能性があります。
特に、日本のように台風や大雨の多い気候では、軒天の存在が建物の耐久性に大きく関わっているのです。
小動物や害虫の侵入を防ぐ
動物や虫を苦手とする人は少なくありません。
屋根裏は温かく、湿度もあるため、鳥やコウモリ、ハチなどの害獣・害虫が住みつきやすいです。
軒天には、通気口が設けられていることが多く、この通気口に網状の部材が使われることで、換気を保ちながら害虫などの侵入も防いでいます。
屋根裏の換気を促進
屋根裏は太陽の熱がこもりやすいため、適切な換気が必要です。
軒天に設けられた通気口から空気を取り入れ、屋根の棟部分などから排気することで、空気の流れを生み出し、屋根裏の熱こもりや結露を予防します。
これにより構造材の劣化やカビの発生などを抑えることができます。
美観の向上
建物の下から見上げた際に目に入る軒天、そのため外観の印象に大きく関わります。
外壁や屋根のデザインに合わせて色や素材を選ぶことで、家全体のデザイン性を高めることができます。
まとめ
今日は、私たちの家にとって非常に大切な存在である軒天についてでした。
軒天は、建物の見た目を美しく整えるだけでなく、雨風や害虫から家を守り、屋根裏の換気を助けるという機能的な役割も担っています。
普段あまり意識しない部分かもしれませんが、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、家の寿命を延ばし、快適な住環境を保つことができるでしょう。
今後は、家をできるだけ長く健康的に保つためにも、ぜひ軒天にも目を向けてみてください。
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